引越しにはトラブルがつきものだったのは一昔前までの話です。
現在は引越し業界もどんどん進化しており、トラブルが起こらないような様々な対策も取られています。
とは言え、引越しは人間のやる事なのでどうしてもトラブルが起こってしまう事もあります。
こちらでは、引越し業界のトラブルについてお伝えします。
引越し業界が生まれた頃
現在は普通にある引越し業者ですが、それほど昔からあるわけではありません。
引越し業者が誕生する頃に引越しをした人は、自分で車を持っていればそれを使い、持っていない人は運送会社に頼んで荷物を運んでもらっていました。
今では考えられないと思いますが、壁や床に傷が付くのは当たり前で、荷物が輸送中に壊れる事も珍しくはなかったようです。
また食器などの割れ物は新聞紙にくるむ程度の梱包で、多少割れても仕方ないという扱いだったという事です。
軽トラックにビニールシートを被せて荷物を運ぶというのが、引越しの光景としては普通でした。
運輸省によるガイドブックの作成
このようなひどい状態の中で、いかに消費者を保護するかについての対策として、運輸省は引越しに関するガイドブックを作成しました。
記載されていた内容は次のようなものです。
- 引越し輸送契約上の責任の明確化
- 引越し運賃の簡明化
- 引越しについての事前相談と騎乗処理の体制整備
そして現在では、国土交通省の作る「標準引越運送約款」で、引越しに関する基準が決められています。
現在の引越し業界
現在の引越し業界の大きな特徴といえるのは、人の動きの多い時期に特に需要が増え、繁忙期があるという事です。
また引越し業は輸送業であると同時に、サービス業としての役割も強く持つようになっています。
またバブル崩壊後の日本経済の情勢と共に、業者間の価格競争が激化して、引越し費用は安くなる傾向が続いています。
さらに企業がリストラを進め、企業内でも転勤を伴う異動は減らす傾向があり、その影響で遠距離の引越しは減っています。
また、それに伴い家族での引越しが減り、単身の引越しが増える傾向もあり、各業者では単身者向けの引越し商品の開発に力を入れるようになっています。
さらに環境問題への配慮とコストダウン両方の観点から、資材の再利用なども進んでいます。
その他、利用者に引越しの品質をアピールするためにも、国際品質規格ISOを取得する業者も出て来ています。
引越しトラブルの実例
実際に引越しで起こったトラブルをご紹介します。
実例1 荷物を壊された
家電製品を雑に扱われ破損し、クレームを入れても誠実な対応がされなかった。
実例2 予定の時間に業者が来なかった
午前中の引越しを依頼していたのに来ないので、会社に問い合わせをしたが連絡が取れなかった。
18時になってやっと連絡が来たが、今日は無理なので明日の朝に変更してほしいと言われた。
信用出来なくなったのでキャンセルしたいと言うと、キャンセル料が掛かると言われた。
実例3 キャンセルに伴うトラブル
事情により引越しの数日前にキャンセルしたら、まだ届いていないダンボールの返送費用を請求された。
実例4 梱包の不備
荷物の梱包も業者に依頼したら、乱雑に扱われブランド品のバッグや洋服がしわだらけになってしまった。
トラブルを回避するポイント
引越し時に荷物がなくなったり壊れたりしてしまう事や、輸送中の交通事故などのトラブルを想定し、見積もりを取る際には引越し業者が保険に加入しているかを、必ず確認しましょう。
業者によっては自社保険を利用しているケースもあり、補償に対して詳しい説明を聞いておくと安心です。
また契約時に渡される契約書や見積書などの書類には面倒でもしっかり目を通しておく事が、トラブルを回避するポイントになります。
まとめ
昔の引越し業者と違って、現在は荷物を乱暴に扱うような引越し業者はいないと思います。
「標準引越運送約款」によって引越しについて細かく定められているので、それに違反すれば引越し業者はペナルティを受ける事になるからです。
そうは言っても、引越し作業を実際にするのは人ですので、完全にトラブルをなくすのはなかなか難しい事です。
引越しの依頼者としては、事前に契約書の内容を確認するなどして、トラブルの発生時に対応を理解しておきましょう。
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