引越しスケジュールを作成する
引越しの段取りを考えましょう
海外赴任や語学留学などで海外に引越すというケースもあるでしょう。
夫の海外赴任によって家族で海外へ引越す場合には、まず夫が先に任地へ行き2~3カ月後に家族が後から合流といった形が多いようです。まず、家族で引越しスケジュールについて大まかに考えてみましょう。
作業スケジュールの概要
1、引越しのスケジュールを立てます。
→家族で出発までの大まかな日程を話し合いましょう。
2、役所関係の手続きを行います。
→転出届などを提出しましょう。
3、パスポート・ビザを申請し取得します。
→必要に応じて手続きしましょう。
4、子供の学校関係の手続きを行います。
→引越し先の日本人学校への入学手続きなどをしましょう。
5、健康診断や予防接種を受けます。
→健康診断を家族全員で受けましょう。行先によって必要であれば予防接種も受けましょう。
6、引越し業者に依頼します。
→会社関係で付き合いがあればそこに依頼するとよいでしょう。
7、現地に送る引越し荷物を選別します。
→何をいつどれだけ送るか考えましょう。また送らないものをどうするか考えましょう。
8、荷造りを始めます。
→荷造りの段取りと手順を押さえましょう。
9、現地の情報を集めます。
→大使館、観光局、市販の書籍、インターネット、各種セミナーなどから情報を探したり経験者から話を聞くなどしましょう。
10、現地に持参するものを購入します
→現地では入手しにくいものやお土産として持って行くものを購入しましょう。
11、住宅や車を処理します。
→持家やマイカーをどうするか考えましょう。
12、生活関連の様々な手続きを行います。
→電気、ガス、水道などの手続きを行いましょう。
役所関係の手続き
海外移転に伴う国外転出の届出をします
海外に1年以上滞在する時には、住所地の市区町村役所(場)に「転出届」を提出する必要があります。
滞在期間が1年未満の時には、海外に住所は移転しないので届出なくて大丈夫です。
転出届
●申請先・・・住所地の市区町村役所(場)
●申請人・・・本人
●必要書類・・・印鑑(市区町村によっては不要の場合あり)
印鑑登録をしている人は、転出届を提出する時に印鑑登録証も持参して登録を抹消する手続きもしましょう。
国民健康保険の手続きも忘れず行いましょう
海外に赴任する人またその家族が、国民健康保険に加入している場合には、海外に滞在する期間によってそれぞれ手続きが必要になります。会社の健康保険組合に加入している人は、その保険制度により手続きが異なりますので、勤務先の担当部署に確認してください。
(1)海外転出期間が1年以上の場合の手続き
1、出国前の喪失手続き
住所地の市区町村役所(場)に転出届を提出する時に、国民健康保険被保険者証と印鑑を持参し、資格喪失の手続きを行います。海外に滞在している期間は国民健康保険の被保険者ではなくなるため、保険料の支払いはなくなりますが、一方で給付をうけることもできなくなります。
しかし国によって、例えばイギリスでは国籍を問わず1年以上滞在すれば国民健康保険に登録ができるなどの制度もありますので、確認してみましょう。
2、帰国後の加入手続き
帰国後は住所地の市区町村役所(場)にパスポートを持参し、転入手続きと国民健康保険の再加入手続きを行います。
(2)海外転出期間が1年未満の場合の手続き
海外での滞在期間が1年未満の場合には、住所が海外に移らないので、国民健康保険も継続して加入できます。その場合は当然海外滞在中も保険料の支払いは必要ですが、海外で病気やけがによって医療機関を受診した時には療養費が支払われます。
該当者は帰国後に、国民健康保険被保険者証、銀行の預金通帳かカードなど口座番号のわかるもの、印鑑、それに診療内容のわかる医者の診療内容証明書および領収明細書(日本語に翻訳)を住所地の市区町村役所(場)に持参し手続きを行ってください。この申請の時効は2年間なので忘れないようにしましょう。
また、国民健康保険加入者が海外滞在中に出産したり、死亡した場合には、出産育児一時金、または葬祭費の支給対象になります。
該当者は帰国したら、住所地の市区町村役所(場)に、国民健康保険被保険者証、銀行の預金通帳かカードなど口座番号のわかるもの、印鑑、出産の事実が証明できるものまたは葬儀の領収書を持参し手続きします。こちらも時効は2年間なので注意してください。
海外在住者も国民年金に加入できます
国民年金は日本の国籍があれば、外国に住んでいても加入することができます。加入の資格があるのは、20歳以上65歳未満の人です。海外に居住している人が国民年金に加入するには、国内にいる親族もしくは社団法人日本国民年金協会に依頼し、必要な手続きを行います。
1、国内にいる親族に依頼する場合
両親や兄弟姉妹などに、海外居住者の国民年金加入の手続きと保険料納付の代行を依頼します。出国する前に自分で加入手続きをする場合にも、海外滞在中の協力者を必ず決めておきましょう。手続きの窓口は、海外に行く前の最終住所地の市区町村役所(場)になります。
2、国内の親族に依頼できない場合
国内に親族がいなかったり、何らかの事情で依頼できない場合には、社団法人日本国民年金協会に加入手続きと保険料の納付を依頼します。保険料は日本にある加入者の銀行口座か、協会の口座に振り込むことになります。
帰国して転入の手続きをすると、国民年金の窓口は協会から市区町村役所(場)に変更になり、協会の代行業務も終わります。市区町村役所(場)に届け出た段階で、協会に帰国年月日の連絡をしましょう。
課税関係もチェックしましょう
転出届を提出し、非居住者になると出発時からの所得税と、翌年6月からの住民税の納付義務がなくなります。ただし、家族が日本に残る場合には、住民税の均等割り部分は徴収されることもあります。
国内に所有している不動産に対しての固定資産税は、非居住者であっても課税されます。ですから、家族全員で海外に滞在する場合には、納税代理人を定めて、物件の所在する市区町村役所(場)に届出が必要です。代理人は固定資産税の納付の代行を依頼することになるので、親族などの信頼できる人に頼むのが
一般的ですが、事情によって無理な場合は弁護士などに相談しましょう。
パスポートやビザの取得
パスポートの申請、取得は早めに行いましょう
パスポート申請手続きは、住所地の都道府県旅券課もしくはパスポートセンターで行います。パスポートの有効期限は5年のものと10年のものの2種類があり、申請の時に選択します。尚、未成年者は5年のみです。
申請は代理人でも可能ですが、受取は必ず本人が行くことになっています。未成年者が申請する場合は、親権者の署名捺印が必要です。
パスポートの申請
●申請先・・・住所地の都道府県旅券課またはパスポートセンター
●申請人・・・本人または代理人
●必要書類・・・一般旅券発給申請書、戸籍抄本または謄本、写真1枚(4.5cm×3.5cm)、
身分確認の書類1つ(運転免許証等)または2つ(健康保険証、国民年金手帳等)(住民票が必要な場合もあります。)
受領日は申請時に指定されますが、通常申請日から6日です。申請時に渡された旅券引換書を持参して本人が受け取りに行くます。手数料は下記の通りです。
●10年旅券・・・16,000円
●5年旅券・・・11,000円
●5年旅券未成年者・・・6,000円
現在所有しているパスポートの有効期限が1年を切った場合や、海外に赴任する場合や留学する場合にはパスポートを所持していても新たにパスポートを取得することができます。
その場合の手続きは上記と同様ですが、戸籍抄本や身分の確認書類は必要なく、かわりに現在持っているパスポートを持参します。しかし、パスポートに記載されている氏名や本籍地に変更がある場合には、戸籍抄本または謄本は必要になります。
何れにしても海外に引越す場合には、出国前にあわてることなどないように早めに申請し取得しておく方がよいでしょう。
尚、写真はビザの申請や赴任先での諸手続きでも必要になることがあるので、多めに準備しておきましょう。渡航先でパスポートを紛失するなど不測の事故にも備え、パスポート番号なども控えておきましょう。
渡航先によって費用書類が異なります
ビザ(査証)は、渡航先の国の在日大使館(領事館)が、本国の規定に基づき発行するものです。会社員などの場合には、一般的に会社や旅行代理店が手配してくれるでしょう。
ビザ(査証)申請
●申請先・・・原則、渡航先国の在日大使館(領事館)のビザ取扱い窓口。米国やインド等、申請者の住所地直轄の公館以外ではビザ業務を行わない国もある。
●申請人・・・本人または代理人
●必要書類・・・国や訪問目的によって異なる。一般的には下記の通り
1、パスポート
2、写真(1~3枚)
3、予防接種証明書
4、その他 → ・申請者の英文経歴書・無犯罪証明書・健康診断書・戸籍抄本等
無犯罪証明書は、住所地を管轄する警察署で発行してもらえます。ただし、渡航先の国によって指定の書式があることもあるので、必ず事前に渡航先国の在日大使館(領事館)に確認をしましょう。
また健康診断書も、国によっては指定の病院があることもあるので、こちらも在日大使館(領事館)へ確認してから行うようにしましょう。
ビザが交付されるまでに期間については、その国によって様々です。即日発行の国もありますし、1週間かかる国もあります。ビザ申請にはパスポートは必ず必要ですから、その期間を考えてパスポートも早めに申請した方がよいでしょう。
健康を守るための準備
健康診断や予防接種等を行いましょう
環境も水も食事も異なる海外へ引越す場合には、自分や家族を守るため準備がとても大切です。
例えば、子どもを海外の学校に入学させるためには、予防接種を追加で接種する必要があることが多くなります。日本と海外では必要な予防接種の内容が違うので、日本で受けたものだけでは足りないことがあるからです。
特に典型的なのがB型肝炎ワクチンです。日本では義務化されていませんが欧米では3回接種を義務付けしてる国が多くなります。またポリオワクチンも、日本では2回ですが、欧米は4~6回です。
ですから渡航先によってはいくつかの予防接種を複数回接種しなければいけないこともあります。接種には一定期間開ける必要がありますから、全て接種するにはある程度期間がかかります。大人でも必要なワクチンはありますから、渡航直前にあわてないように、早めに確認して計画的に受けるようにしましょう。
また、渡航前に健康チェックも必ずしておきましょう。渡航先の国によってはビザの申請や子供の入学手続きに健康診断書が必要な場合もあります。
また、病気療養中の場合には、医師に「経過診断書」を書いてもらい現地語に翻訳して持参し、現地でスムーズに診療してもらえるように準備しておきましょう。
歯の治療も済ませてから渡航した方がよいでしょう。
予防接種
渡航先の国への入国に必要な予防接種の種類回数を確認し、家族全員接種しましょう。特定の予防接種を児童の入学前の義務としている国もあるので、事前に必ず確認しましょう。DTP三種混合、BCG、麻疹、ポリオは必須ワクチンなので、回数が足りないようなら、必ず渡航前に追加接種しておきます。
母子健康手帳
日本語の母子手帳を持参しても、現地では役にはたたないので必ず現地語に翻訳したものを持って行きましょう。
常備薬・衛生用品
●常備薬・・・総合感冒薬、解熱鎮痛剤、健胃消化剤、緩下剤、下痢止め、虫よけ、目薬、軟膏等
●衛生用品・・・絆創膏、包帯、ガーゼ、体温計、爪切り、綿棒等
子供の学校関係の手続き
子供の年齢や渡航先の国の事情を考えて対応しましょう
家族全員で海外へ引越す場合には、子供の学校についても考えないといけません。子供の年齢や学年、また渡航先の国の事情などで対応を考えます。
◇ 転校手続き(小中学校の場合) ◇
《退学届》
●届出先・・・子供が在学している学校
●届出人・・・保護者
●必要書類・・・退学届(退学理由、渡航先、滞在予定期間、転校先学校名、書式は自由)
《入学届》
●届出先・・・転校先の学校
●届出人・・・保護者
●必要書類・・・在学中の日本の学校に作成してもらう
1、転校先が日本人学校の場合 → 在学証明書、成績証明書、指導要領のコピー
健康診断書のコピー、歯科検診結果のコピー等
2、転校先が現地の学校の場合 → 在学証明書、成績証明書、国籍証明書(パスポート等)、当該区居住証明書(住宅の契約書等)、予防接種証明書等、何れも翻訳が必要です。
3、補習授業校 → 在学証明書、パスポートなど
◇ 教科書取得手続き ◇
海外の日本人学校等で使用する教科書は、文部科学省の委託によって財団法人海外子女教育振興会が給付しています。教科書を取得するのには、同財団に在学校に発行してもらった「教科書給与証明書」と印鑑を持参して、同財団に備え付けの所定の申請書に記入し提出します。
引越し荷物の選別
まずは荷物を選別しましょう
引越し荷物の整理から発送までは、概ね下記のような流れになります。
1、荷物を選別する
→持って行く家財道具と、置いていくもの、処分するものに分けます。
2、持って行く荷物の選別をします
→航空便、船便、航空別送荷物、船舶荷物、携帯荷物など輸送手段によって分けます。
3、引越し業者を手配します
→転勤の場合、会社関係で付き合いのある業者があればそこに依頼します。なければ海外引越し の経験が多い大手の業者がよいでしょう。
4、 引越し費用の見積もりを取ります
→複数業者に見積もりを依頼しましょう。
5、 梱包資材を手配します
→業者から購入するのがよいでしょう。
6、 荷造りを開始します
→できるものから荷造りを始めましょう。
7、荷物内容明細書を作成します
→通関用のパッキングリストを作成しましょう。
8、荷物の発送をします
→引取り日等を業者としっかり打ち合わせておきましょう。
この中で、最も重要になるのは1、~2、の荷物の選別です。海外へ引越す時には、国内での引越し以上に業者に任せてしまいがちですが、荷物の選別は引越す本人や家族がやるしかありません。選別が終わらないと、引越しは前には進まないのです。
家財道具を3つに分けましょう
現地の情報を十分考えた上で、家財道具を「持って行くもの」「置いていくもの」「処分するもの」の3つに分けましょう。
(1)持って行くもの
現在使用している食器や衣類等の日用品は、そのまま使えるので概ね全て送り、それ以外のものは必要の度合に応じて優先順位をつけて決めます。会社が定めている規定量や手当などを基準にして決めるのが一般的です。
輸送手段は、現地に着いてすぐに使うのものは携帯荷物で、しばらくして落ち着いてから使うものは航空別送荷物や船舶荷物の貨物便で送るのが普通です。
到着してから、どうしても急いで必要になったものなどは、国際郵便小包(航空便)も利用できます。
現地に持って行く荷物を整理してみると次のようになります。
1、台所用品・食器・衣類・日用品・化粧品・靴
日ごろ使い慣れているものを持参して、足りないものは現地で買い足すのが基本です。ワイシャツや下着など、サイズや好みの合ったものは現地では入手しにくいものです。着慣れたものを、なるべく沢山持って行く方がようでしょう。特に靴は、男女とも小さいサイズのものはあまりないので、持っている靴は全て持って行くことをお勧めします。また、特定の洗剤や化粧品が欠かせない場合には、それもできるだけ多く持参するようにしましょう。
2、医薬品
病院等で処方された薬を服薬中の場合には、医者に英文の処方箋を作成してもらって、必ず持参しましょう。他に市販の風邪薬や鎮痛薬等、またガーゼ、マスク、絆創膏なども少し多めに持って行った方がよいでしょう。
3、家電製品
電圧や周波数そしてプラグの形等は、国によって異なっています。変圧器やプラグの変換機を使えば、日本で使っていた家電製品をそのまま使用できる場合もありますが、テレビやラジオ、ビデオなどのAV機器は放送様式も違いますし、使えない場合もあります。
せっかく海外まで運んでも使えなかったと言ったことのないように、事前に渡航先の電気事情についてはよく確認することが大切です。
主な各国の電圧と周波数は次のようになっています。変圧器は家電量販店等で購入できます。
・香港→220V/50Hz ・シンガポール→230V/50Hz ・アメリカ→120V/60Hz
・イギリス→240V/50Hz ・ドイツ→ 220V/50Hz
(2)置いていくもの
日本に置いていく荷物の扱いとしては、次のような方法が考えられます。
1、実家や親せきに預ける
2、一般の倉庫やトランクルームに預ける
荷物の中身、預入の費用など様々な角度から考えて最も良い方法を選びましょう。
(3)処分するもの
不用品の処分については、日本国内で引越す場合と同じです。粗大ごみに出すか、売却含めリサイクルを考えるかのどちらかでしょう。粗大ごみに出すにはお金がかかりますし、できればリサイクルできたらよいでしょう。
1、粗大ごみに出す
居住地の市区町村の担当窓口に申し込みます。収集日が限られているので捨てるものが決まったらなるべく早く連絡しましょう。
2、リサイクルを考える
リサイクルショップに売却、自治体のリサイクル事業を利用する、友人にもらってもらうなどの方法があります。
荷造りの開始
海外への引越しではこの3点の注意しましょう
海外への引越しの荷造りも、基本的に日本国内での引越しと変わりませんが下記の3点には注意が必要です。
1、航空荷物は重量ごと、船舶荷物は容積ごとに料金がかかります。
2、通関の手続きのために「荷物内容明細書(パッキングリスト)」を作成します。
3、空港や港での積み下ろしや、長時間の輸送にも耐えられるように梱包しましょう。
荷造りの手順とポイントを押さえましょう
荷造りについては、引越し業者に任せることも可能ですが、荷物内容明細書(パッキングリスト)を作成することを考えると、家具や家電などの大きな荷物以外は、自分たちで行った方がよいかもしれません。荷造りの手順とポイントは下記のようになります。
1、梱包資材の手配
引越し業者から入手する方法が1番手軽です。船荷では段ボール箱をまとめて木枠で組むので、段ボール箱のサイズは統一しましょう。
2、荷物の仕分け
電気製品、台所用品、衣類等、荷物の種類を分けます。
3、段ボール箱に詰めます
日本国内の引越しと同じで、割れ物んだおは新聞紙や緩衝材でパッキングします。段ボール箱の中で動かないように、タオルやまるめた新聞紙等で隙間もしっかり埋めましょう。
4、宛先、荷物表示、荷物リストを作成します
荷詰めが終わったら、あらかじめ作成し必要枚数をコピーしておいた紙に、宛先を記入し段ボール箱の上蓋に貼りましょう。
更に日本国内の引越しの場合と同じく、段ボール箱の上蓋、横腹に荷物表示をして、その内容を大学ノートなどに記入して荷物リストを作成します。
5、通関用の荷物内容証明書(パッキングリスト)を作成します
荷物の明細を、英文と和文で最低3部作成しましょう。
6、荷物に保険をかけます
万一の紛失や破損に備え、必ず引越し荷物には保険をかけるようにしましょう。引越し業者に手続きを依頼します。
輸出入の通関手続きは業者に任せましょう
渡航先国への荷物の発送、現地での引き取りには輸出入の通関手続きが必要です。これらは、引越し業者が通常代行してくれますので、全て任せてやってもらうようにしましょう。
尚、輸出入の通関手続きには、パスポート、荷物内容明細書(パッキングリスト)、赴任証明書、トランク等の鍵が必要です。引越し業者と事前によく打ち合わせておきましょう。
留守宅の管理とクルマの処理
留守宅問題をどうするか考えましょう
海外への引越しで悩む問題の一つに持家をどうするかということがあります。これは基本的に下記のような考え方ができます。
1、空き家のまま管理する
親せきなどに定期的に空気の入れ替えなど管理してもらうか、留守宅専門の管理会社に依頼します。
2、賃貸にする
留守宅管理専門(リロケーションサービスの会社)に賃貸の仲介あっせん、管理業務を依頼します。
3、売却する
不動産仲介業者に売却のあっせんを依頼します。
サラリーマンに転勤は付きものです。海外赴任にかかわらず転勤の辞令が出たら持家をどうするかは、常日頃から考えておきたいところです。
車は業者か友人や知人に売るケースが多いです
海外赴任になると、車は売却するケースが多いようです。売却先は新車、中古車ディーラーなどの業者や、友人や知人が一般的です。売却時に必要な書類は次のようになっています。
・自動車検査証
・自動車損害賠償責任保険証明書
・印鑑証明
・実印
・自動車納税証明書
・その他
生活関連の諸手続き
電気やガスなどは国内の引越しと同じように考えます
電気、ガス、水道、NHK、新聞、郵便などの生活に関わる手続きについては、国内で引越すのと同様に1週間前までに電話連絡して、精算をします。
一時的に電話が不要になる場合、NTTを利用しているのであれば一時預かりの制度が使えます。これには、再取付時に住所変更がなければ同じ番号が使えるが、毎月の基本料金は支払続ける「一時中断」と、番号は変わるが基本料金は支払わなくてもよい「利用休止」のふたつの選択肢があります。
申し込む場合は局話なしの116番に電話します。
留守中の連絡などを頼む人を決めておきます
海外にいる間、郵便を転送してもらったり様々な連絡や買い物などをお願いする人を決めておきましょう。両親や兄弟など身内に頼むのが一般的です。郵便の転送や買い物などの発送をたびたび依頼する可能性がある場合には、あらかじめ自分で住所の宛名ラベルを何枚も作成して渡しておけば、相手の負担が減ります。
日本内での税金の支払いやその他必要経費が発生した時に、海外からそのたびに送金するのは手間がかかるので、そう言った時にどのように精算するかの方法も打ち合わせておきましょう。
国際運転免許証を取得します
日本の運転免許証を所有していて、有効期限が1年以上残っていれば、誰でも国際運転免許証を取得できます。有効期限が1年未満の人は、期限前更新の手続きをして申し込めば取得できます。
申請は住所地の都道府県公安委員会の運転免許試験場、もしくは指定警察署にします。運転免許証とパスポート、写真(5×4cm)を持参すると、即日交付されます。有効期限は発効日から1年間です。
海外での危機管理
自分の身は自分で守りましょう
日本人が海外で狙われるケースが急増しています。日本は安全な国なので、その感覚で海外でも過ごそうとすると危険なことになりまねません。自分の身は自分で守るという危機管理意識が大切です。
自分でできる危機管理の対策をまとめてみます。
1、現地を知りましょう
これから行く現地がどのような場所なのか、事前の下調べを必ずしましょう。ガイドブックやインターネット、またできれば現地の新聞雑誌などにも目を通しておくと色々わかると思います。
習慣、風俗、宗教上の制約なども勉強しておいた方がよいでしょう。日本では当たり前にしている行動でも、海外では思わぬ反感を買ってしまう事も考えられます。現地に詳しい人がいたら、必ず話を聞いておきましょう。
2、目立たないようにしましょう
犯罪者やテロリストは目立つ人を狙う傾向にあります。必要以上に派手な行動や服装は慎みましょう。現地にはあまりないような高級な車に乗るのも危険です。
また、公の場所で現地の悪口や、文化、政治、宗教、社会などについて批判をするのは絶対にやめましょう。
3、行動を予知されないようにしましょう
通勤や通学、買い物、娯楽などの日常生活のパターンがわかりやすいと、犯罪の的にされかねません。日頃から移動ルートを変えたり、時間に変化をつけるなどして行動を予知されないようにしましょう。
4、用心を怠らないようにしましょう
海外に行ってしばらくたち現地に慣れてくると、つい気が緩みがちになりますがそんな時が危険です。
夜の外出や1人歩きは極力避けるようにして、レストランなどでも机に荷物を置きっ放しにしたり、椅子の背もたれにかけておいたりするのはやめましょう。
また走行中の車からのひったくりや、路地に連れ込まれるのを避けるために歩道は真ん中を歩くようにします。
突然の出来事が起こった時に、周囲に知らせたり意志の疎通をはかるためにも語学力をつけることも必要です。
コメント