現在、引越しの専門業者の名前は誰でもいくつかはご存じだと思います。
テレビコマーシャルで目にする事も多く、引越しをする際にはそれらの業者に依頼するケースがほとんどでしょう。
しかし、かつて引越しは運送業者が業務の一部として取り扱っているものでした。
ではどのような経緯で、今のように多くの引越し専門業者が誕生したのかを振り返ってみたいと思います。
引越し業界の歴史
そもそもは「引き越す」という言葉が、引越しの語源と言われています。
荷物を「引き」、川や山を「越し」、移動して家を移す事を指していたようです。
平安時代・江戸時代の引越し
貴族や役人が、昇進するたびにだんだんと大きなお屋敷に移って行く事を「引き越し」と呼んでいました。
そしてその後江戸時代になると、庶民も家を移るようになりました。
その事を「宿替え」または「家移り」などと呼んでいたようです。
その頃の引越しでは、近所に「家移り粥」や「餅」「小豆」などを挨拶として配っていたという事です。
トラックでの引越しは戦後から
トラックでの引越しがスタートするのは、第二次世界大戦が終わった昭和20年代以降です。
トラックの普及により、それまで荷物の運搬に使われていた馬車が、トラックでの輸送に移行し、運送業は急速に発展しました。
さらには高度経済成長期で都市部に人口が流入し、郊外に建つ団地に引越しする人が急増したのです。
昭和40年代までの引越し
昭和40年代までの引越しは、運送業者に荷物の輸送のみを依頼していましたが、梱包のサービスなどは全くありませんでした。
家具や家電などを傷付けないというような配慮もなく、お皿なども多少割れるのは仕方ないというような考え方だったようです。
そして現在の引越しに
そのような時代を経て、現在の引越しのスタイルが確立されて行きました。
運送業者にしてみれば運送の料金に加えて作業の料金を請求する事が出来ますし、利用者側は肉体的な負担が大幅に減るわけですから、お互いにとって引越し業の誕生は喜ばしい事だったと言えるでしょう。
そして現在では、引越しのみを専門で行う運送会社も多く存在するようになったのです。
引越し会社のキャラクターに動物が多い理由
引越し会社のキャラクターには、動物や生き物が使われる事が多いようです。
その理由として考えられるのは、親しみやすいという事はもちろん、次のようなイメージがあるからではないかと推測されます。
- ぞう … 力持ち
- きりん … 高い所にも運べる
- あり … 働き者
- チーター … 速そう
まとめ
引越し業界の歴史を簡単に見てみました。
古くは縄文や弥生の時代から「家を移す」行動はされてきた事ですが、その頃はまだ「引越し」の概念はありませんでした。
また昭和50代頃までの引越しでは、荷物を輸送するという事がメインであり、荷物の保護というところまでは、あまり考えられていませんでした。
その後、運送業の片手間で行われていた引越しが、引越し専門業者に依頼するのが当たり前の時代になりました。
このような時代を経て、今ではご存じの通り、数多くの引越し専門業者が存在しています。
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