引越し業界が確立するまで


引越し業がひとつのビジネスとして成立したのはいつの事なのでしょうか。
そしていつ、引越しのノウハウを確立したのでしょう。
こちらでは、引越し業界の歴史についてお伝えいたします。

日通の独擅場だった引越し業

日本の戦前から戦後にかけ、引越し業をほぼ独占していたのは、日本通運(日通)でした。
日本の全国に拠点を置き、法人も個人もほぼ引越しは日通に依頼していたのです。
そして日通に頼まない人は、自分で引越しをするという時代でした。

当時の日本では、地元で就職したらそのまま働き続ける事がほとんどだったため、引越しもその地域内である事が多かったようです。
転勤するのは上級管理職以上で、運送業者が日頃の感謝を込めて無償で手伝う事も多かったようです。

時代の流れと引越し業者への需要増加

戦後、高度経済成長時代には、都市間の移動も活発になって行きました。
何もなかった土地に工業地帯などが出来て、その周りに住宅街や商店街も増えた結果、引越しの需要も激増したのです。
そして高速道路も整備されて行き、第一次オイルショックによって低迷に直面していた運送業者が、引越しという分野に活路を見出して行きました。

引越しのノウハウの確立

引越しのノウハウはどのように培っていったのでしょうか。
考えられるのは、在日米軍の家族が移動するに際し、アメリカの運送業者のシステムを学んだのではないかという事があります。
また、引越しを専門に扱う運送業者は独自のノウハウを蓄積して、システムを確立して行ったところもあるでしょう。

このようにして誕生した引越しというビジネスは、これまでの運送業の片手間に行っていた仕事とは一線を画していたのです。
これまでは消費者側も、運送業者の引越しにそれまでのクオリティを期待はしていませんでしたが、そのような状況は一変し、確実に安心で安全な引越しを求めるようになって行きました。

まとめ

このように引越し業は高度経済成長期に誕生し、その後時代の流れとともに少しずつ変化しながら現在の姿になりました。
そしてこれからも、消費者のニーズに合わせて進化して行くと考えられます。


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